東京地方裁判所 平成3年(特わ)1870号 判決 1992年2月20日
本店所在地
東京都世田谷区上野毛三丁目一番三号
株式会社
ランドエアージャパン
(右代表者代表取締役 鶴田靖男)
本籍
同区奥沢八丁目三五四番地
住居
同区上野毛二丁目一〇番一三号
会社役員
鶴田靖男
昭和一三年四月二四生
右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官菰田尚正出席の上審理し、次のとおり判決する。
主文
被告人株式会社ランドエアージャパンを罰金一二〇〇万円に、被告人鶴田靖男を懲役一〇月にそれぞれ処する。
被告人鶴田靖男に対し、この裁判確定の被告人から三年間その刑の執行を猶予する。
訴訟費用は、その二分の一ずつを各被告人の負担とする。
理由
(罪となるべき事実)
被告人株式会社ランドエアージャパン(以下、被告会社という)は、東京都世田谷区上野毛三丁目一番三号に本店を置き、飲食店の経営等を目的とする資本金五〇〇万円の株式会社であり、被告人鶴田靖男(以下、被告人という)は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括している者であるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外する方法により所得を秘匿した上
第一 昭和六二年四月一日から同六三年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が五一一〇万五〇五円であった(別紙1修正損益計算書参照)のにかかわらず、同六三年五月三一日、東京都世田谷区玉川二丁目一番七号所轄玉川税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一二二八万九五七二円で、これに対する法人税額が四二〇万一三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(平成三年押第一、二六七号の1)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額二〇五〇万二〇〇〇円と右申告税額との差額一六三〇万七〇〇円(別紙2脱税額計算書参照)を免れ
第二 昭和六三年四月一日から平成元年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が六一七一万一六三二円であった(別紙3修正損益計算書参照)のにかかわらず、平成元年五月三一日、前記玉川税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一二八六万四八〇二円で、これに対する法人税額が四四四万二八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同押号の2)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額二四九五万八六〇〇円と右申告税額との差額二〇五一万五八〇〇円(別紙4脱税額計算書参照)を免れ
第三 平成元年四月一日から同二年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が三四六七万九六九八円であった(別紙5修正損益計算書参照)のにかかわらず、同二年五月三一日、前記玉川税務署において、同税務署長に対し、所得金額が九〇万八二七九円で、これに対する法人税額が一九万七二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同押号の3)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一二九二万五五〇〇円と右申告税額との差額一二七二万八三〇〇円(別紙6脱税額計算書参照)を免れ
たものである。
(証拠の標目)
判示全部の事実について
一 被告人の当公判廷における供述
一 被告人の検察官に対する各供述調書(三通)
一 被告人の収税官吏に対する平成二年八月二三日付、同三年二月二〇日付(五丁綴りのもの)各質問てん末書
一 中垣東和子、西陽子の検察官に対する各供述調書
一 中垣東和子(四通)、西陽子、木澤馨(平成二年八月二三日付、同三年一月三一日付のもの二通)の収税官吏に対する各質問てん末書
一 収税官吏作成の売上高調査書、事業税認定損調査書
一 収税官吏作成の領置てん末書
一 登記官作成の被告会社の平成三年一〇月二一日付商業登記簿謄本
判示第一及び第二の事実について
一 木澤馨の収税官吏に対する平成三年二月二〇日付質問てん末書
一 収税官吏作成の諸税公課調査書
判示第一及び第三の事実について
一 牧野文和の検察官に対する供述調書
一 牧野文和の収税官吏に対する各質問てん末書(三通)
一 収税官吏作成の福利厚生費調査書
判示第一の事実について
一 収税官吏作成の雑収入調査書、前期修正益調査書
一 押収してある被告会社の昭和六三年三月期分の法人税確定申告書一袋(平成三年押第一二六七号の1)
判示第二の事実について
一 押収してある被告会社の平成元年三月期分の法人税確定申告書一袋(前同押号の2)
判示第三の事実について
一 収税官吏作成の給料調査書
一 押収してある被告会社の平成二年三月期分の法人税確定申告書一袋(前同押号の3)
(法令の適用)
一 罰条 被告会社
判示各所為について、法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項(情状による)
被告人
判示各所為について、法人税法一五九条一項
二 刑種の選択 被告人
判示各罪について、懲役刑選択
三 併合罪の加重 被告会社
刑法四五条前段、四八条二項
被告人
刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第二の罪の刑に加重)
四 刑の執行猶予 被告人
刑法二五条一項
五 訴訟費用の負担 被告人・被告会社
刑事訴訟法一八一条一項本文
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 西田眞基)
別紙1
修正損益計算書
<省略>
別紙2
脱税額計算書
<省略>
別紙3
修正損益計算書
<省略>
別紙4
脱税額計算書
<省略>
別紙5
修正損益計算書
<省略>
別紙6
脱税額計算書
<省略>